ツボの話の前に ~学習会資料~
ツボの話の前に
【東洋医学の成り立ち】 現在の日本における東洋医学(鍼灸・按摩マッサージ指圧)の原点は中国にあります。 始まりは極めて本能的な医術にあったと思われます。「傷口を舐める」、「痛いところを撫でる、さする(手当て)」、「薬になりそうな食物を摂取する」など、ほとんど人体実験のようなことが繰り返されていたようです。後に中医学、漢方医学として体系化され、日本にも伝来し、アレンジが得意な日本人は現在の体系(日本流)を築きました。前述の人体実験的な事は、それぞれ『鍼灸・按摩マッサージ指圧』、『漢方薬(漢方製剤)』となったわけです。
【経穴(ツボ)とは?】 経穴は体表面にあり、鍼・灸・按摩マッサージ指圧施術の「点」であって全身のあらゆるところに存在し、一説には361個あるともいわれています。 疾病の際になんらかの反応をあらわす点(反応・診断点)であり、また施術により疾病を治癒させる点(治療点)でもあります。
経穴は、先に述べた通り、中国の中医学に由来し経験的な知見により見出されたものです。重要な神経・血管・筋走行上に位置したり体性-内臓反射等で医学的関連があり、現在ではWHOにおいても治療効果が認められています。
中医学、漢方医学的説明では、経穴(ツボ)は「気と血」のエネルギーの通り道といわれる経絡上にあって、気血が出入りし、経絡が合流したり分枝したりする経絡上の重要な「点」であり、一般的には「ツボ」とも「穴(けつ)」とも呼ばれています。
<キーワード> → 「臓腑(内部)の異常は、経絡(体表の脈絡)に発現する。」
【臓腑の概要】
臓は一般に、肝、心、脾、肺、腎の五臓をいい、腑は、胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦の六腑をいいます。(いわゆる、五臓六腑)