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痛みの記憶

人間とは忘れる動物です。涙が出るほど辛かった出来事は、自然と記憶の中から消し去ろうとします。これは、人が生きぬいていく為の自己(自我)防衛反応。もし、この作用がなかったならば、四六時中、辛かった記憶に支配されて何も手に付かなくなることでしょう。極端になると「全生活史健忘」という状態にもなりますが、通常は「辛い出来事」だけを忘れることで「生」と「活」が守られるのです。 だから、嫌な事はどんどん忘れましょう!忘れても全然、良wwwwwいんです‼ ・・・と、ここまでは『心の痛み』に関するお話。 『体の痛み』にも、同様のメカニズムがあると思われます。過去に起きた事故やケガ、それに伴って発生したリアルな痛みの感覚も、「辛かったもの」として記憶の彼方へと追いやっていくようです。もちろん生理学の観点からいえば、肉体というは様々な治療法・自然治癒力などによって回復(完治もしくは寛解)していくものです。しかしながらです!ある日突然、治っていたはずの同じ箇所に原因不明の痛みが再現することがあるのです。(程度の差こそあれ) なぜ??? ここで、少し私の体験談をします。 今から15年くらい前(40代前半)の話。ある朝、いつも通りに目が覚めてベッドから立ち上がろうとした時のことです。左足首に突然の激痛!床に足をつくことが出来ずにそのままベッドに倒れ込みました。『何が起こったんだ⁉』訳が分かりませんでした。そして、竹の棒を杖代わりにして(かなりカッコ悪かった)整形外科へ行き、レントゲン検査をしても「骨に異常なし」。腫れも発赤も熱感もなし。それでも痛みだけは確実にありました。とりあえずガチガチにテーピング固定してもらい、2週間ぐらいの松葉杖暮らしで治まりましたが、今考えても、とても不思議な体験でした。 後日、なぜ痛くなったんだろう?といろいろと推理し、そして、一つの考えに至りました。「現在の心の痛み」を、脳が勘違いして「過去の体の痛み」にすり替えてしまったのだと。(必要なすり替えだったのかも?) 20才の頃、スケートボードで転倒してひどい捻挫(左足首)になったことがあり、その時も松葉杖を使った記憶があります。これが、辛かった「過去の体の痛み」。 そして、40代前半(不思議体験時)、サラリーマンをしていた私は種々のストレスを抱え込んでしまい、心療内科のお世話に。これが、辛かった「現在の心の痛み」。 突然立ち上がれなくなった時、まさに過去と現在が「辛い」というワードで繋がってしまったのだと思われます。 時に、体の痛みは心からのSOSかもしれません。 患者様には必ず、病歴はもちろんのこと、ケガ・事故歴についても詳しく聞くようにしています。どうしても話したくないことは無理には聞きませんが、治療をする上での大きなヒントにもなります。どうぞ、ご理解ください。

 
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